2022/10/28 20:24
「野望編」配信の際に今回が完結編であることをお知らせしたところ、みなさんから多くのメッセージ頂きました。本当にありがとうございます!ショップの業務の合間にBLOGを書くのはなかなか大変でして...(笑)。今回はデビューの足掛かりになるまでのことを思い出しながら書きました「飛翔完結編」です。
1981年、まだ御茶ノ水の店舗スタジオでリハーサルを続けていたANTHEMですが、この会場内で公開リハーサル的なライヴを行ったことが数回あります。20畳ほどの空間でありましたが、当時にしては一応空調もしっかり完備されておりましたので好都合でした。ただ当時のバンドには珍しく、来場する90%以上がライダースの革ジャンを着た野郎どもだったのが何とも言えない光景でしたね(笑)。
いつの日かスタジオにギターの小柳さんが現れないことが数回ありました。そしてある日、直人っさんから「ギターが代わるかもしれないけどどう思う?」と聞かれました。まだ19歳の自分にはよくわかりませんでしたが「バンドが良くなるためには仕方ないかもね」と答えた気がします。しばらくするとギタリストがヒロヤになったと報告を受けました。
この頃には神楽坂にあった「エクスプロージョン」と言うライブハウスで行うようになり、リハーサルスタジオも御茶ノ水の店舗スタジオから都内某所のスタジオへと場所を変えていきました、そうして活動はさらに広がっていき、神楽坂エクスプロージョンはもちろん、目黒鹿鳴館、そして日本各地のツアーも行うようになり、確実にファンを増やしていったのです。 余談ですが「柴田直人・自伝」に出てくる、この時代よく対バンしていたB-29と言うバンドのベーシスト、H君とはプライベートでよく遊んでおりまして、自分の引っ越しも機材車で手伝ってくれたりしていました。自伝にこのバンド名が出てきて久しぶりに懐かしさがこみあげましたね(笑)。
1982年になると私も新たにオープンすることになった新宿店へ異動になり、直人っさん達も活動を精力的に行うようになったことから会う機会は一段と減っていきました。そんな時、御茶ノ水の店舗を中心にロック・コンテストを行う企画が社内で立ち上がりました。時代はエレキギターブーム真っ只中ですので、盛り上がること間違いナシだと企画が進んでいきます。私が日頃、ミュージシャンの方々とのお付き合いを大切にしていることを、会社側も知っていましたので企画制作に加わり、ゲストバンドにANTHEMを推薦しました。(今思うとこの30数年後にも社内で同じようなことをやっていましたネ)
コンテスト当日は確か7~8バンドが出演し、優勝バンドに賞品が出るというシンプルなものでしたが、そのあとにゲストバンドを演奏させるコンテストはあまりない時代でした。しかもそのバンドが東京でも圧倒的に評判を呼んでいたANTHEMが出演する運びとなったのですから非常に注目されていました。また、コンテスト協賛会社にギターブランドが絡んでいた関係から、スペシャルゲストに先にメジャーデビューを果たしていたEARTHSHAKERのシャラさんと甲斐さんが参加することになりました。3~40分のステージでしたがラスト2曲は6人でのセッション大会となり、非常に盛り上がったのを今でも鮮明に覚えております。
実はこのコンテストのゲストライブこそが、その後のANTHEMのターニングポイントの一つになっていた事を後に知ることになります。そしてこの後バンドはヴォーカル交代と言う岐路に差し掛かっていきます。まさにメジャーデビュー前の一波乱という感じなんでしょうか!コンテストの流れからヴォーカル交代劇までのことは「柴田直人・自伝」にて再確認してみてくださいね(笑)。
「出会い編」からデビュー直前の「飛翔完結編」まで読んでいただきましたがいかがでしたでしょうか?! 直人っさんとの付き合いもすでに40数年になりました。ベーシストである柴田直人は、私のショップのOPEN記念に出品したレアイテムが一瞬で完売してしまうほどのスターであり、日本のメタルシーンにおいてはトップアーティストであります!一方で、私の結婚式では両家両親に送る手紙を朗読中、感極まって号泣していた直人っさん(笑)。式が終わり着替えて帰った後に、会場に革靴を忘れたことに気が付き、後日再び式場まで取りに行く人間臭い直人っさんがいます(笑)。
また直人っさんは活動やバンドのターニングポイントの時、よく私に話してくれました。小柳さんがバンドを抜けるときもそうでしたが、ラウドネスに加入する際は「どう思う?」という問いに、「ファンは直人っさんがステージに戻って来ることを待っていると思う」と答えました。ANTHEM再始動の際は「もしやるなら命がけでやらなきゃ単なるお祭り騒ぎで終わっちゃうよ。それじゃあ間違いなく何も残せないと思うんだよ...シミッチョはどう思う?」と言う問いに、「その通りだし、今回こそやらなきゃダメだと思う」とも言わせていただきました。ただこれも実は直人っさんの中ではもう答えが決まっていることを、私に確認しているだけのではないかと思うのです。
最後に年下の私が言うのもなんですが、直人っさんはバンドや音楽に対して非常に真面目なアーティストでありベーシストです!だからベーシスト人気ランキングで常に上位にいるのだと思いますね。みなさんもそう思いませんか? そしてこれからも直人っさん(ANTHEM)への応援をよろしくお願いいたします。もちろんROCK ECHOESもね(笑)!