2022/12/16 20:28
1980年、大手楽器店に入社したばかりの5月、ニューアルバム「DOWN TO EARTH」を発売したばかりのRAINBOW来日公演を観に武道館を訪れました。前年から続いていた来日ラッシュでクラプトン、フォリナーに続く武道館でしたので、さほど新鮮味はありませんでしたが、いつも一人で行くことが多いコンサートにこの日は友人の柴田直人氏が一緒でした(柴田直人と言うベーシスト/変革編・参照)。
やはり同じくリッチー好きでしたから一緒に行ったのだと思いますが、多分後にも先にも一緒に行ったのはこの一回だけだったと思います(笑)。会場に着くとまず目立ったのはアルバム「DOWN TO EARTH」のジャケット・バックドロップが暗闇に照らされていて、とてもワクワクしたのを覚えております。それと前回来日した際の機材より圧倒的に機材量が増えていることに気が付きました。職業柄か楽器にまず目がいくわけですが、キーボード群の凄さに衝撃を受けます!後にその音の凄さも思い知ることになるのです。柴田氏のブログでも書きましたが、この日私はポケットに友人から借りた小型カセットテープレコーダーを忍ばせておりました。悪いこととはわかっていましたが、どうしてもこの日の音を手元に残しておきたかったのです。そのことは同行の柴田氏ももちろん知っておりました。
観客席の電気が消え、SEの"Land Of Hope And Glory"が流れ始めると、もう間違いなくRAINBOWワールド全開!!オープニングは何かと期待していたらナント、”Eyes Of The World”のイントロではありませんか!!!もう鳥肌モノとはこのこと。この時のキーボード・サウンドの重圧さと言ったら、今まで体感したことのなかったほどの衝撃でした。
そしていよいよ御大リッチーが登場するや否や、柴田氏は大声で笑い始めます(苦笑)自分の予想していたのと同じ登場だったからだと言っておりましたが、その笑い声は密かに録音している私のカセットテープに残されているのは言うまでもありません(笑)。そしてその登場したリッチー・ブラックモアにも前回来日時と大きな違いがありました、それはまずギターその物!今までは限りなくオリジナルに近いストラトキャスターを使用していましたが、ピックアップ(マイク)も全く違うものを搭載し、音色そのものもアップグレードされていたのです。これは衝撃でしたね!
さらなる衝撃は何といってもヴォーカルのグラハム・ボネット!赤いズボンに白のブレザー、グラサン姿で登場したときは少しYAZAWAを感じました(笑)。しかしその声量と言ったらとてつもなくて、2曲目の”Loves No Friend”ではすでに泣きそうになったくらいでした。海外にはまだまだ凄いヴォーカリストが沢山いるのだと実感した次第です。
このツアーで来日した際、ドラマーのコージー・パウエルは日本でドラムクリニックを開催しています。クリニックでコージーが登壇すると、いきなりコージーは教則本を破ります!「私にメソッドはいらない」という意味だと思うのですが凄いですよね(笑)このドラムクリニックは今でも伝説となっていますね。また、来日した際に多くの来日記念特集号が各雑誌社から発売されています。その中でも音楽専科増刊 vivaROCKの「リッチー・ブラックモア&パープル・ファミリー」という雑誌があるのですが、その中でロジャー・グローバーのインタビューでパープルの再結成はアリと答えております。実際にこの4年後に再結成するわけですが、すでに予言していたかの様で面白いですね。ただ、このグラハム・ボネットがいたRAINBOWが1枚のみのアルバムと言うのが実に残念でなりません。
ただこの時、キーボードを弾いていたドン・エイリーは今、ジョン・ロード亡き後、DEEP PURPLEの正キーボーディストですし、何よりあの時、私と会場で一緒に見ていた直人っさんこと柴田直人氏は、この20年後にステージで歌っていたグラハム・ボネットと一緒にアルバムを作り、ともにステージに立つという何ともドラマティックな話ではないですか!
【RAINBOW DOWN TO EARTH WORLD TOUR 1980】
5月8日(木)東京・日本武道館
5月9日(金)東京・日本武道館
5月12日(月)東京・日本武道館
5月13日(火)大阪・フェスティバルホール
5月14日(水)大阪・フェスティバルホール
5月15日(木)大阪・フェスティバルホール
入場料:S席 / ¥3,800