2024/02/28 16:25


昨年、この「オーナーの独り言 」で特集した”楽しいアナログな世界へ”が、ありがたいことにとても好評でした。マニアックな内容ではなかったのが良かったのかもしれませんネ!今回はそのアナログな世界のEP盤について語ってみたいと思います。

まずEP盤ですが、数十年前までは日本ではシングル盤と言っておりました。一方海外では7インチなどと略されていたようです。シングル盤の意味は片面に1曲しか収録されていないことから名付けられた日本独特の名称です。また海外ではほとんど、レコードがスリーヴという袋に入れられているだけですが、日本ではこのスリーヴに加えて、独特のジャケット紙が1枚添付されています。その日本ならではの独特の文化をいくつかご紹介いたしましょう。

其の壱:曲のタイトルやサブキャプションが独特
まずタイトルに関してはよく邦題が付けられていますが、必ずしも意味が同じではないという事。これに関してはかなり笑えるものも存在しております。例えばボズ・スキャッグスの名曲「YOU CAN HAVE ME ANYTIME」は、邦題「トワイライト・ハイウエイ」!全く意味が分かりません(笑)。探してみるとかなり存在しますので、是非見つけてみてください。また曲名に加え、独特な”サブ・キャプション”が付けられているのも邦盤の特徴です。特に”全米No.1”とか”トップ10入り”は常套句で、中には物凄い長いキャプションもあるんです。しかも笑えます!

其の弐:ジャケット紙が海外盤に比べて独特
ほとんどのレコードは17cm四方のペラ紙が1枚付いているだけですが、レコード会社が強力に推しているアーティストや話題作には、二つ折りのポスタータイプのものや、ライナーノーツがアルバム並みにしっかり書き込んであるものも存在します。また、訳されている歌詞も時代を物語っており、今では使われない漢字やNGとなる表現が満載です(笑)。ただ、ジャケット紙は海外にはない文化ですからファンとしてはありがたいですよね!

其の参:スリーヴ袋も日本は頑丈な上に独特
レコードが入れてあるスリーヴにも日本人の気質が現れています。まず無機質な海外盤にくらべ、袋自体が非常に頑丈に作られています。紙が上質なのかは分かりませんが、50年近く経っているものでも破れたりしていないのです。またデザインも豊富で、同じレコード会社でも時代によって色や柄が違うことも多々あります。飽きさせない心がこの辺にも表れていると私は思っております(笑)。

其の四:レコード店が行っていた購入者へのサービスが独特
これはレコード本体のことではありませんが、多くのレコード店が行っていたサービスが独特でした。そのひとつが「レコード・サービス券」です。小売店によって割合は違いますが、大体シングル盤(EP)1枚買うと1点券がもらえ、LP盤を購入すると3~5点もらえる事が多かったです。これを数十点貯めると、シングル盤やLP盤がもらえるというシステムでした。これぞポイントカードの原点です(笑)。しかもこの券はレコード店の自作のものが多かったのがユニークでした。ちなみに下記のサービス券はオーナーのコレクションの一部です(苦笑)。残念ながらこのサービス券を発行した店舗はほとんど存在しておりません(悲)。

レコードはもちろん、音を楽しむことが基本なのですが、ジャケットや、掲載されている全ての文面が、その時代をダイレクトに感じさせてくれます。またCDでは感じることが出来ないジャケットの存在感、もちろんサブスク等では全く再現することが出来ないサウンドの温かさがそこにはあります。好きなアーティストの物から集めるのも面白いと思います。きっと新たな発見があると思いますよ!!

★2023年10月にアップしました「オーナーの独り言#4 ~楽しいアナログな世界へ~」もあわせてお読みくださいネ!